ドロミテ写真報告3 チマ・オベスト「スピゴロ・デムス」 そして帰国

8月9日には、チマ・オベストの「スピゴロ・デムス」ルートを登りました。

チマ・オベストの東壁
スピゴロ・デムスはそれほど人気ルートではなく、
岩ももろい箇所が多くて緊張の連続でした

トラバースも多く危険です

ルートの中間あたりにて



とにかくどんどん登ります

長いですから、がんがん急ぎます

ぐいぐい登ります

とにかく急ぎます

「スピゴロ・デムス」終了
この日は空腹感がなく、朝食も行動食も何も食べずクライミングを終了しました
(もちろん水は飲みました)
そうとう気合が入っていました

下降
所々懸垂下降もあり、けっこうやっかいです



ガスが湧いてきました
この時、やっと「海外でクライミングしているんだな~」としみじみ感じました。

オベストとグランデとの間のガリーを下ります

こうして、帰国直前になんとか2本のルートを登ることができました

今回のドロミテでのクライミングとは何だったのか、その意味を考えています。
ひとつには、ヨセミテ以来のクライミングパートナーである中村くんとまた一緒に海外で登ることができたことは、大きな喜びでした。
13年前のヨセミテ以来、またこうしてともに挑戦の舞台に立てることは幸せなことです。
もう一つには、個人的には10年ぶりの海外クライミングとなったことでした。長いブランクになりましたが、なぜこの10年間に海外に出る機会がなかったのか、その理由に気づきました。結局のところ、「海外のその山に呼ばれていなかった」ということです。
というのは、8月3日にトレ・チメの下見に赴いた際に、「この山々に呼ばれている」感覚があったのです。
僕は自分の人生でドロミテに行くことはないとずっと思っていましたが、なぜこうしてドロミテに来ることになったか、その時に理解しました。
そして、クライミングに関しては海外と日本国内の違いはほとんど感じませんでした。実感としては「まだまだできることがあるな」という手ごたえを感じました。
ドロミテでも、もっとできそうなことは見えました。しかし、僕はやはり岩と雪と氷の壁に生きるクライマーです。
次に思い描く壁は、夏の乾いた岩壁ではなく、高所のミックス壁です。


帰国の朝、コルチナのホテルの前で

バスの車窓より

このあと、コルチナ発のバスは8:30に出発し、ヴェネチィアの空港に11:00ころ到着しました。到着して少しして、パスポートをコルチナのホテルに忘れてきたことに気づきました・・・帰国もすんなりとはいきません(~_~;)
でもこれはまた別のお話になります。お会いした時にお話させていただきますね。